95/12/04

現場


 わしは今、昭和四日市石油というところの重油分解センター建設現場で、現場監督見習い(兼パシリ)をしている。
 ま、いわゆるガテンな人だ。
 以前やっていたソフト屋よりは性に合っている、と思う。

 全国から2000人以上の人が集まる現場なので、いろいろなことがあって面白い。

 毎朝8時の朝礼の最初に、ラジオ体操をする。毎日同じテープを使っているので、いいかげん飽きる。
 別に「てんぱいぽんちん体操」や「ピンポンパン体操」にしてくれとゆーわけではないが。
 でも、2000人が一斉に「でんぐりがえって、王選手〜」つーのは壮観だろう。

 便所の落書きも面白い。
 「この現場は、○○○(元請会社の名前)の独裁政治だ!」
 「なにが『明るい現場をつくろう』だ、うそつき!」
 といった「心の叫び」タイプのモノから、
 「オ○○コ3回やった」といった定番モノ、
 「パンチョ伊東のヅラめっちゃかっこいい」とゆー謎めいたものもある。
 その中で、「四日市はいい町だ」というのを発見すると、わしも人の子、ほっとしたりする。

 今日はプラントの一部であるタワーに昇った。もちろん、階段などとゆー文明的なモノはついていない。
 あるのは、モンキートラップとゆー梯子だけである。この梯子で、低いモノでも10数mのタワーを昇るのである。
 これがしんどい。特に腕が。ガムテープなぞを持ったまま昇るので、なおしんどい。
 そのタワーを1日2本も昇り降りしたので、いい運動になる。
 地上43mのタワーにモンキートラップで上ったときは、流石におっかなかった。
 おっかないよりも先に、しんどいのだが。
 このくらいで疲れていては、ホントはいけない。職人さんは、この上に機材を担ぎあげて溶接作業をしたりするのである。
 上はなかなかいい眺めだ。臨海コンビナートなので、海が眼前に広がっている。
 船(主にタンカー)の出入りや、天気がいいと対岸の知多半島がよく見える。
 踊り場で弁当食ったらうまかろうと思うときもあるが、寒いのと、床がグレーチングとゆー金網(側溝の蓋なんかによくある、目が長方形のモノ)なので、箸をおとしたりなんかしたら10数m下まで拾いに行くことを考えるとぞっとするということもあり、まだ実行したことはない。
 眺めと言えば、プラントはどれもメカメカでかっちょいい。
 既に稼働している石油プラントは、足もとからスチームを吹き出したり、薄茶色に汚れたりしていて最強にかっちょいいのだが、建設中のものも、「バロック」と言えるほど複雑に組み上げられた足場と、複雑に入り組んだ塗装前の赤茶けた配管の組み合わせが、なかなかいい感じで捨てがたい。
 一度ひららさんあたりをご案内したいのだが、部外者を入れることはまず不可能だし、写真の無断撮影も出来ないので、写真をお見せすることも出来ない。残念である。
 夜中に入り込むのも危険だ。溶接部の確認のため、イリジウムやコバルト60を用いたγ線撮影を終夜行っている。そのまま入ると、放射線を浴びてしまう。まだ死にたくない。

 とゆーわけで、ガテンライフは結構楽しい。


 芸風が違うな。


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